フリーランス映像翻訳者になろうと思って色々と調べていくと、求人はあることにはあるものの、当たり前のように「実務経験○年以上」と書かれていたりしますよね。
その実務経験を積みたいから求人探しているんですけど・・・と悲しくなったりします。
特定の資格があれば必ず仕事につながる訳ではない、というのが結構ツラいこの職業。
この記事では、プロデビューのとっかかりを先輩翻訳者の方々がどう掴んでこられたのかについてまとめていきます。
直接のクライアントは映画配給会社や放送局ではない!
確かに翻訳者の扱う素材を提供しているのは配給会社や放送局ですから、大枠で言えばクライアントですし、中にはそのような会社から直接お仕事をいただくような大御所翻訳者さんはいらっしゃいます。
しかし、翻訳者が普段仕事を受注し、やりとりをするのは前述のソースクライアントと翻訳者の間に立って調整をしてくれる日本語版制作会社や翻訳エージェントなどがほとんどです。
新人の段階でソースクライアントから直接仕事をいただける可能性は低いので、まずは日本語制作会社や翻訳エージェントに登録してもらう必要があります。
そのためにはどのようなルートを選ぶのか。以下に先輩方が通ってきた主なルートを羅列しました。
プロへのルート実例
映像翻訳専門スクールで学び、プロデビューするパターン
映像翻訳者になるためにはいわゆる映像翻訳特有のルールを知り、それを使いこなすことが求められます。その専門知識を学ぶためにスクールに通う人は多いです。
しかし、スクールに通うメリットはそれ以外にもあります。スクールによってはプロとして走り出すための道しるべを示してくれるところもあるのです。
具体的には、学習後、スクールの紹介で応募してトライアルに合格するパターンや、
スクール併設のエージェントのトライアルを受けるパターンなどが挙げられるでしょう。
新しい業界で右も左も分からない状態の新人にとってはとても有り難いことですよね。
もちろん自動的に仕事が舞い込んでくるわけではなく、それ相応の知識と技術を併せ持っているとスクールに判断してもらうため、課題やトライアルなど一つ一つをしっかりこなす必要が出てくるでしょう。
ちなみに、私が通っている日本映像翻訳アカデミー(JVTA)はまさにこのパターンです。
コースがいくつかあり、それを受け終えた段階で併設された翻訳受注部門のトライアルを受け、合格をしたらプロとして登録されます。
もちろんトライアルに合格するだけの実力を付けている必要がありますが、スクールの卒業試験のような感覚で受けられるのが最大のメリットかと思います。
卒業後のサポート体制や、エージェントの規模感もスクールによって違いますので、スクール選びのポイントとしてチェックしておきましょう。
映像の現場に就職し、実名経験を積んだ後独立するパターン
プロの翻訳者さんのプロフィールをお伺いしていると、意外と多いのがこのパターンです。
映像翻訳者としての立場だけでなく、制作会社や配給会社など、業界全体の動きを把握しているところが大きな強みでしょう。
ディレクターとして、こういう成果物が翻訳者さんからあがってきたら嬉しいなと思うポイントが分かっていると、コミュニケーションもよりスムーズになります。
翻訳に絞る前に業界を知りたい、働きながら下積みをしたいという方にとっては良い選択肢だと言えます。
映画祭の字幕などボランティア的な翻訳に参加して経験を積むパターン
映像翻訳者になるために、必ず保有していないといけない資格は存在しません。
つまり、独学でプロになっても全く問題ないのです。
効率性やその後のサポートを考えると、スクールに通うことにメリットを感じますが、もちろんタダではありません。
むしろ、ある程度まとまったお金を投資しないといけない、とも言えるでしょう。
また、課題や講義などでの時間的拘束もあります。
生活スタイルによっては、なかなか厳しい場合もあります。その場合は独学で学び、自分で求人に応募してチャンスを掴むことももちろん可能なのです。
しかし、その際には冒頭でも書いたとおり実務経験や翻訳実績が障壁になることが多いのも事実です。
その実績作りや履歴書の信用度を高めるために(もちろん自己研鑽やネットワークの構築など、他のメリットも沢山あります!)お金をいただかないボランティアの形で映像翻訳に携わる、そしてその実績を携えて求人に応募してプロになるというのも1つのルートですね。
まとめ:やはりスクールは活用しない手はない
いかがでしたでしょうか。
やはり、スクールに通って専門知識を身につけ、それを足がかりにするのがメインのルートですね。
だからこそ、スクール選びは大事になってくると言えるでしょう。
スクール選びについてはまた実体験をお伝えできればと思います。