前回の記事で、映像翻訳のプロになるための基本ルートについて解説しました。
前回の記事はこちら
本記事では、スクールに通うことを選択肢の一つと捉えている方に向けて、実体験を踏まえたスクール選びのあれこれについてまとめました。
私自身、スクールに通うべきかどうか、どのような点を重視したら良いかなどとても迷った記憶があります。参考になれば幸いです。
スクールに通うことは必須なのか
映像翻訳者を目指すに当たってアプローチは沢山あるとはいえ、基本的にはスクールに通って知識をつけ、その経験をもとに最初のとっかかりを得る方が多いようです。
また新人は、全く何の後ろ盾もないと、応募できるトライアルすら見つけにくいというのが実情なので、やはりスクールは活用したいというのが結論でした。
まとまった予算は必要になるものの、映像翻訳者になりたい!と考えたらスクールに通うことを選択肢の1つとして、その実現可能性を含め検討できたらいいですね。
スクール選びの前に
自分の現状を確認しよう
映像翻訳を扱うスクールは何校もあります。
やみくもに資料請求をして横並びで検討を始めると、どれもよく見えて迷ってしまいますよね。
そこで私がまず大切にしたのが現状把握です。
スクール選びに入る前に、以下の点について紙に書き出して整理すことで自分にあったスクールを都度選ぶ事が出来ました。
- 今住んでいる場所
- どの手法を学びたいか
- 週次で勉強に確保できる時間
- 講義に参加できる曜日、時間帯
- スクールに割ける予算
- 今後の人生プラン
ひとつひとつみていきましょう。
今住んでいる場所
スクールに通学することができるかという判断基準になります。
今住んでいる場所が首都圏でない場合、自分の通える範囲にスクールがあるのかを確認しましょう。
私は学習し始めたときは地方にいたので、通学を諦めて、通信講座で学習を始めました。
一方、現在はコロナの影響でリモート講義を行っているスクールも増えています。
遠方に住む方にとって選択の幅が広がりますね。実際に受講しているクラスにも、遠方から受講している方がいらっしゃいます。
コロナが落ち着いたあとのことはまだ分かりませんが、少なくともリモートで参加するという選択肢はこれまでよりも定着するのではないかと思います。
どの手法を学びたいか
翻訳の手法については以下の記事をご参照ください
映像翻訳のスクールと言っても必ずしも全ての手法を網羅しているわけではありません。また学校ごとに力をいれている場所も違います。
ほとんどの学校に字幕講座はありますが、吹替翻訳や、ボイスオーバーの講義が限られていたり、存在しなかったり。
もし自分が学習する手法をもう絞って決めているのであれば、その手法を強みとしている学校を選ぶべきでしょう。
代表的なスクールについてはまた別記事でまとめます。
週次で勉強に確保できる時間
週次で勉強できる時間(翻訳のことだけを集中して学習したり、課題に取り組む時間)を事前に把握しておくのは意外と大事です。
スクールを選び始めると、気持ちも前のめりになり、「たくさん勉強して最短ルートでプロデビューするぞー!」という気持ちになってしまいがちです(私がそうでした(笑))。
そこであまりにも自分のライフスタイルとかけ離れた講義スタイルを選択すると、モチベーションが下がる原因になります。
スクールによって、講義スパン、課題の量、修了(卒業)までのスケジュール感は様々です。
詰め込みすぎでなく、かつ手持ち無沙汰にならないようなスピード感の学校を選ぶ基準にしましょう。
ちなみに、私が現在通っている日本映像翻訳アカデミーの講義は一週間に1回、そのための学習目安は10時間/週~レベルが上がるごとに+5時間という目安があります。
それだけの勉強時間が確保できるか考えることが必要と言うことですね。
講義に参加できる曜日、時間帯
前の項目と似た意義があります。
ご自身の働き方や、ライフスタイルによって講義の曜日や時間帯が変わってきます。
お子さんのいる家庭であれば、講義の数時間、お子様にどう過ごしてもらうのか(誰かに協力してもらうのか、学校に行っている時間にかぶる講義はないかなど)あらかじめ考えておく必要があるでしょう。
ちなみに私はまだ子供が未就学児なので、毎週の講義を土日に設定して、講義時間は主人に面倒を見えてもらうことにしました。
スクールに割ける予算
概算でいいので、予算をあらかじめ決めておくのは大切です。
スクールはいくつかのレベルに分かれていることが多く、修了のためには最後のレベルまで受講必須の場合が多いです。
通信講座と通学講座でもその合計金額は変わってきます。
プロになるにあたって必要な費用も多少なりともあります。
それらを踏まえて、ここまでなら出せる!出すぞ!というラインを明確にしておきたいものです。
今後の人生プラン
今後の人生プランについては、誰も確かなことは言えないでしょう。
でも上記の項目について未来のことまで思いを巡らせておくことはとても大切です。
私は地方から通信講座で始めましたが、途中で首都圏に引っ越したので通学、さらにはスクールを転校まですることになりました。
一つ一つの選択に後悔しているわけではありませんが、最初からもう少し色々な可能性を考えた上で選んでもよかったかなとも思います。
不確かな世の中だし人生設計も難しいとは思いますが、将来の色々な可能性もスクール選択に盛り込めるといいと思います。
まとめ:スクール選びの前に現状をしっかり把握しよう!
いかがでしたでしょうか。
今回はスクール選びをする際の準備段階として考えた方がいいと思うことをリストにまとめました。
判断基準がしっかりしているとスクール選びもとても楽になると思うし、後悔のない選択ができると思います。